2013年11月28日木曜日

リュートいろいろ(その2)

今回は題して「こんなリュートは欲しくない」です。

まず1つ目。割と普通の形してます。まだリュートを手に入れてなかったらこれでもいいかな〜と思えますが、評判のすこぶる&%$)8&&#"=&いリュートです。(あれ?なんか妨害電波が入ったみたいで一部文字化けをおこしてます)
弾いた事ないですが、値段がね。エレキリュートにすればちょっと売れたりして。税込みヨンキュッパ!!!誰か買ってみて!!!


2つ目。リュートでもダブルネックを考えたやつがいるんですねー。でも、これは左利きで弾けるようになっとかなあかんのかな???いやいや、よーく見るとどちらも右利き用です。ひっくり返して使うんですね。これはエレガントを目指し・・・てないよね。。。


3つ目。これはテオルボをボディの方を長くしてしまった例。どうしてこの考えになったのか???
でも当時のトップリュート奏者ピッチニーニの考案だったらしい。低音側にもちゃんと目玉のようなロゼッタが掘られていますね。最早、ホラーの領域ですな。

2013年11月27日水曜日

リュートいろいろ

リュートといってもいろいろと種類があります。今のエレキギター並みにあるんとちゃうかなー。


16世紀終わり頃から歌の伴奏などで使われ始めた、ボディが大きく、糸蔵の長〜いテオルボ(キタローネ)というのがあります。「でかいギター」という意味だそうですが、見た目はリュートですな。

写真は左からアーチリュート、テオルボ(中)、テオルボ(大)です。左に写ってる襖と比べると「どんな高さやねん」ってくらいでかい!!!
イタリア歌曲とされている(らしい)カッチーニの曲なんかは、ピアノでなく、テオルボの伴奏で聴きたいものですね。

プリンチピ・ヴェネツィアーニのコンサートではおなじみです。
http://principivenetiani.blogspot.jp



ルネサンスリュート。これは6コース。
16世紀から18世紀頃まで、リュートが衰退するまで使われていました。この後、弦を低音側に増やしていって、7〜10コースぐらいまで持つルネサンスリュートが次々と登場します。

また、11〜13コースのソロ用バロックリュートも。これは写真なし。残念。


さらに昔にさかのぼると、中世リュート。写真のは5コース(5弦の意味。復弦なのでこれは9弦。)で、15世紀頃に使われていたもの。デュファイ、バンショワの時代ですね。ルネサンスリュートの初期型ともいえます。オリジナルが残っていないようなので、当時の絵や図面から復元されました。この時代の音楽って今、ほとんど聴く事がないですね。朝のNHK FMぐらいかな、聴けるの。中世音楽からルネサンス音楽への移行期なので、いろいろ面白いですよ。


と、時代や音楽の内容によって、いろいろな種類のリュートがあるわけです。欲しくなってくるよ。お金はないが。。。

2013年11月18日月曜日

プリンチピ・ヴェネツィアーニ「ことばの雨」

プリンチピ・ヴェネツィアーニのコンサート「ことばの雨」を観てきました。
京都二条の小さいホールで、お客さんは16人とちょっと少なめ。

プログラムが凄かった。17世紀イタリアの非常に感情的な台詞を役者が喋ってるような歌と、その時期に流行った器楽曲。短いプログラムだったけど、2回、盛り上がるところを作っていて、1つ目は「パッサカリア上のカンタータ」ポッツィ作曲。パッサカリアの下降する音形に乗って、自分がどれだけ苦しいかと畳み掛けるように歌う。
2つ目は、「アリアンナの嘆き」モンテヴェルディ作曲。これもいきなり「死なせて!」で入る悲痛な歌。

今回、聞き流せる曲はなかった。手に汗握る、まるで演劇を観ているような、素晴らしい内容でした。

聴く側になかなか安心させてくれない、挑発的な音楽家達。みんなこれを聴かずして死ねないぞ!



あ、12月20日、京都文化博物館で本公演があります。見逃すな!!!


↓プリンチピ・ヴェネツィアーニは以下のリンクから!
http://principivenetiani.blogspot.jp

2013年11月13日水曜日

カプスベルガー

カプスベルガーのトッカータを攻略中。
カプスベルガーと聞くと、ドッペルゲンガーを思い出す。自分を外で見ると恐いねー、死ぬかもしれんよ。まあ、どうでもいいんやけど。

そうそう、カプスベルガーの話でした。
弾き始めてから良い曲だと思えるまで結構な時間がかかる。でも、ほとんど良い曲!
10コースリュートを持ってなく8コースであるので、弾けない音はオクターブ上げて、でも10コースのC音は欲しいので8コースをCにして、と、いろいろやってるとテンション上がってくる。リュートを弾き始めたときにやろうと思ってたので、こんな嬉しいことはないです。はい。

一緒に弾き始めてるピッチニーニと比べると、好き嫌いがはっきりするかも。
ピッチニーニは悪い曲無いんやけど、びっくりするほど良い曲もないな。結構良いんやけど、カプスベルガーに比べると見劣りするなー。いや、良いんですがね。

あと、ちょっと前のモリナーロもいいです。これもリュート始めたときに弾きたかったので、これからボチボチやろうかなっと。でも難しいなー。

写真はカプスベルガーの「D'INTAVOLATURA DI LIUTO LIBRO PRIMO」

買っといて損はないですよ。みんな持ってるかな?
(これはMINKOFF出版ですが、SPESの方がテオルボ楽譜もついてくるのでお得感があるかも?)
Principi Venetianiでもたまにやってますよ。




2013年11月7日木曜日

ルネサンスの秋

「中世の秋」(著者:ホイジンガ)という本があります。中世の終焉とルネサンスの始まりの頃のヨーロッパの歴史を書いた本であります。初期ルネサンスのデュファイやバンショワの活躍していた頃ということで、古楽ファンにはおなじみ(???)の本ですが、15世紀、フィリップ善良侯が十字軍発向の為に行った「きじの誓い」(十字軍に行くぞ!と誓いをたて合って大宴会が催された。巨大なパイの中で演奏が行われたという記録が残っている。)の事などが書かれています。

そして、今日!
難波千日前で、立ち飲みの誘惑を振り切りつつ訪れたジュンク堂で見つけた本。

「ルネサンスの秋」(ウィリアム・J・バウズマ みすず書房)


明らかに「中世の秋」を意識して書かれたものであると思われる。
1550年〜1640年と副題にあるように、後期ルネサンス、初期バロックの頃の事を書いた本であるようだ。(まだ序文しか読んでません。。。)
序文によると、今まで「知学」を中心にした本は出ているけど、これは「文化」を中心にすえて書いているとのこと。目次を見ると「自己」「知識」「時間」「空間」「政治」「宗教」の解放、「時代」の悪化などの項目があり、当時の人がどんな事を考えて、どう行動していったのかが書かれているみたい。

ちょっと古楽ファンとしては興味深い!楽しみ!




2013年11月5日火曜日

古楽勉強会

古楽勉強会行ってきました。(11/4)
参加者は僕を入れて3人。器楽奏者で達者な人達です。

内容は、
前半:2声対位法での作曲
後半:装飾は歌詞とからめたらどのようにつけられているか

という、ちょっと尻込みしたくなるものでした。
作曲というと敷居が高いように感じますが、16世紀頃では音楽を習うのは楽器演奏習得と作曲だったということです。

これが、やってみるとかなり面白いものでした。まず簡単なテーマを第1声部が始めて、少し後から第2声部が模倣という形で入ってくるのですが、入るところを間違うとすぐに不協音程となってしまいます。これを不協音程が出てこないように進めていき、最後にカデンツで終わる、出来たら「ヤッター!」と喜ぶのですが、後で「ここは5度平行、ここは8度平行になってる」と指摘をうけて、「うむむ。。。」とうなる事になるんです。
同じテーマでやっても、人それぞれ違うものになっていて、それも興味深いことでした。

後半は、モンテヴェルディの曲を例にとって、シンプルな形がどのように装飾されているかを笠原先生が実際に歌い比べてくれるというもので、歌聴けただけで来てよかった、と受講生の方が言っておられました。また、モンテヴェルディはすごいな、と再認識。

次回はセッションの会だそうです。楽しみ!