2014年2月27日木曜日

阿倍野やのに

久しぶりの天王寺。HOOPの本屋が改装されていてビックリ!
その名も「スタンダードブックストア」。京都一乗寺の恵文社みたいな本屋です。
本も売れ筋なものはあまり置いていなくて、結構気の利いた品揃えでした。

https://www.d-kintetsu.co.jp/hoop/guide/shop.html?shopid=6f-5

本棚の間に雑貨が置いてあって、そっちも思わず買ってしまいそうになるオサレなものが一杯ですよ。おまけにカフェも併設されてます。こんな本屋がこれからは流行るんやろな。まあ、本好きには有り難いことですよ。

でも天王寺なのにこんな店、いいのか?

立ち飲みを併設してくれたらいいのに。

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(追伸)
後で知ったのですが、心斎橋とNU茶屋町にもあってビールも出してる。
熱燗とおでんまでもう少し。

2014年2月14日金曜日

東京大学のアルバートアイラー(キーワード編)

菊地成孔というジャズサックス奏者&文筆家がおります。皆さん知ってますかー?
えー、知らない?知らない人が多いと思いますが、超面白いですよ、この人。

ここで紹介してる本(ジャズサックス奏者って言ってるのに本!)とは別に、「憂鬱と官能を教えた学校(上)(下)」「M/D(上)(下)」など、文庫で発売されていますので興味のある方は読んでみてくださいねー。ちなみに「憂鬱と官能」はバークリーメソッドについて、「M/D」はマイルス・デイヴィスについて書かれています。どれも菊地成孔と大谷能生の共著です。

さて、この本「東京大学のアルバート・アイラー」ですが、アルバートアイラーって最近まで知りませんでした。なんとフリージャズのサックス奏者なんですね。でもフリージャズっていっても結構聴きやすいかな。この本は菊地成孔と大谷能生の共著として、東大で行った講義録として出されています。講義には2回に1回はゲストを呼んでお話を聞くという豪華なものです。こんな講義を大学時代に受けたかったよ。いや、東大はムリやろ。。。ですが、モグリの生徒も居たようなので。


内容はというと、
第1章ブルース(ゲスト:飯野友幸)
第2章ダンス(ゲスト:野田努)
第3章即興(ゲスト:大友良英)
第4章カウンター/ポストバークリー(ゲスト:濱瀬元彦)
となっております。

初めの章から超面白いんですが、後になるにしたがって面白さが増していきます。
ブルースの章では、アメリカ黒人社会で唄われていたブルースという音楽を詩の方から読み解きます。またブルースの構造は西洋の音楽理論では説明不可能なのに、間違った様には聴こえないという不思議/問題が提示されます。
ダンスの章では、バロックダンスから90年代以降のクラブミュージックのダンスに至る話がされます。2人で踊るためのステップを中心に構成された音楽(ジャズ)がビパップ以降、ダンスしないで聴く音楽となっていくが、イギリスでジャズの拡大解釈により踊るためのジャス(クラブジャス)が流行る。それ以後ディスコからクラブへとアンダーグラウンドのダンスミュージックが作られ、シカゴハウス・デトロイトテクノへつながっていく。それは黒人のブルース/ファンクを80年代後半、打ち捨てられて安くなっていたドラムマシンやベースマシンを使って表現されたものです。(野田努さんの「ブラックマシンミュージック」という本は必読ですよ!)

ここからがすごいんですが、即興の章では即興をどこの文化にも属さない形で作り上げたというギタリスト・デレクベイリーの事から始まり、音響、音量など音韻の事を離れての「即興」を探っていきます。ちなみにこの回のゲスト、大友良英さんは「あまちゃん」の音楽を作って、最近ちょっと名前が売れましたね。本来の音楽はノイズ系なので、あまり知られていません。以前、京都法然院でレイ・ハラカミとの対バンで演奏(だったのか?)していたのを見た事があります。音を発しているものは楽器ではなかったので、かなり強烈な印象として頭に焼き付いています。

最後の章では、ビバップの希薄な調性、モードに移行していったときにリディアンクロマチックコンセプト(1オクターブの12音、すべて使える)を提唱したジョージラッセル、それらを踏まえつつ、また批判して、独自の理論(ラングメソッド)を作った濱瀬さんの話が最高に面白いです。ブルースのブルーノートって理論では消化できないのになんで不自然に聞こえないんやろう?という疑問を解決しています。

僕もこれを読んで初めて知ったのですが、「下方倍音列」っていう考え方(!)を導入しています。驚くべき事に、バロック時代に考えだされていたみたいで、弦の長さを半分にしたらオクターブ上が鳴るというのを反対に考えて、弦の長さを2倍にしたらオクターブ下が鳴るやろう!という考えだそうです。
倍音って上に出来ていくものと思ってたのに、下の倍音って!!!
当時はオカルト扱い(今でも?)だったそうです。そらそうですよね。でもあくまでも仮定です。でも、ドの音を鳴らすと、下に長3度の♭ラと下に完全5度のファが共鳴するそうです!!!
それをゴニョゴニョやると、「ホラ、ブルーノートも使えます!」ってなるんです。僕も良くわかってないので、その大事なところをすっとばしましたが(笑)、この持って行き方が鮮やかなのです。

また何でもマニュアルを使ってやる事の危うさも言っていて、自分で考えてみろ!と。僕のリュートの先生も同じ事を言ってますね。自分で調べて、自分で考える。結論ももちろん自分で出す。それが出来ないと音楽の説得力は生まれません。音楽の本でこんな面白くて感動するの珍しいですよ。
あ、感動って誤解してもらっては困るけど、現代のベートーベンとかじゃありません念のため。
皆さん買って読んでくださいねー。

菊地成孔さんのCDも面白いですよー。これも買って聴いてくださいねー。


下方倍音列:倍音は普通上に8度、12度(5度)、17度(3度)というように現れるが、下方向にも同じように現れるという考え。ドを基音とすると12度(ファ)、17度(♭ラ)で基音と合わせてマイナーコードが現れる(Fm)。

2014年2月7日金曜日

雉の祭典

あ、ギヨーム・デュファイとジル・バンショワが立ち話をしています。どちらもルネサンス初期の大作曲家です。ちょっと立ち聞きしてみましょう。

デュファイ(以下デュ) あ、バンショワ君、元気?
バンショワ(以下バン) どうも、デュファイ君。久しぶりやな。
デュ そのハープええな。買ったん?
バン うん。
デュ 結構高かったやろ?嫌らしい話やけど、いくらやった?
バン 安もんやっちゅうに。それ、オルガン?
デュ あ、そうそう。この前ちょっとしたお金が入ったんで作らせんや。(オホン)
バン へええ。ええなあ。(ちょっとしたお金って何か悪いことでも。。。)
   あ、いやいや、何か良い仕事でもあったん?
デュ あれ、知らんかった?こないだフィリップ善良公の大宴会に呼ばれてねえ。
バン フィリップ善良公?
デュ そうそう「雉の祭典」って言うてたな。なんでも「なんちゃって十字軍」の為に
   誓いを立て合って、それを祝しての大宴会。
バン ええー。ええなー。
デュ 善良公なんて言われてるけど、もう人使い荒いんやから大変。
   「パイの中で演奏してもらう」とか言われてドーム状のテントみたいなとこに
   通されて。んで、演奏してたら下で火をつけやがんの。
   パイはふっくらと膨らんだけど僕らはアッツいアッツい。
バン ははは(苦笑)
デュ 死ぬかと思たよ。でも一杯お金くれたから、まあよかったかな。
バン そうなのか。僕も呼んでーや!
デュ ごめんごめん。でも十字軍、行かへんらしいよ。
バン なんや、宴会したかっただけかいな。

バン そういえば、僕らの絵にセリフを入れることが流行ってるらしいで。
デュ へええ。知らなんだ。
バン ちょっとやってみよか?
デュ うん。

デュ その竪琴、弦少ないな。お金無いんか?
バン なんでやねん。

バン 僕を貧乏と思ってるやろ。そんなんあかんわ。
デュ じゃ、もう1回。


デュ 僕は後ろのオルガンを屁で弾けるぞ。
バン なんでやねん。

バン オルガンを屁で弾けるってなんやねん。
デュ よう聞いてくれました。このオルガンのふいごを口で息を入れてもいけるように
   してるねん。
バン え、歌唄われへんやん。
デュ そこやがな。歌うときは、このチューブをお尻につっこんでやなあ、ブッブブー
   って弾けるんやで。2〜3声ぐらい屁のカッパや。
   (※ブッブブー:18世紀の日本で屁こき芸があった事を平賀源内が書いている。
    匂いをだしたり下着を汚したりする芸人はまだまだとのこと。
    この対談は15世紀を想定しているが、おそらくその当時にヨーロッパで開発
    されて日本に鉄砲と同じ時期に入ってきたのであろう。ウナギを土用に食べるの
    も源内の言い出したこと。言い出しっ屁っていうぐらいなので。)
バン 器用やな。
デュ そうやろ?
バン なんか、僕、つっこみばっかりやな。
デュ 自分も喋らんかいな。「うなづきマーチ」を定旋律※にしてミサ曲作ってるん
   バレたら首飛ぶで。
   (※定旋律:この頃のミサ曲に世俗曲のメロディをテノールにおいて上2声を作曲
    することがよくありました。「うーなーなーうなうなうななー♪」を
    「うーーなーーなーーうーなーうなーうーなーなー♩」と伸ばして使う事に
    よって世俗曲と知られずにこっそり引用していたという、今のサンプリングの
    考えがこの当時に既にありました。)

バン じゃあ、募集しよか。
デュ 僕らの絵に面白いセリフを付けてください。面白い作品を作った方には素敵な
   商品を差し上げるなどという素晴らしいことがあってもいいかもしれませんが
   お金が無いのでご勘弁を。
バン さっき、お金あるって言ってなかった?
デュ オルガンに使ったのでありません。

(対談はフィクションであります。この雉、いや記事に対するクレームは受け付けません。)

2014年2月3日月曜日

浪速お化髪パーティ

今日は待ちに待った節分ですね。世の中のお父さん達、追い払われる準備は出来てますかー?

節分の日に毎年開催される「浪速お化髪パーティ」がありました。他人になりすまして厄を落とすという、わかるようなわからないような風習です。江戸時代からあったそうですがホンマかな。

華乃家さんのチンドンに先導されて、ホテルアウィーナを出発し、近鉄上本町の歌舞伎座を通って、生国魂神社まで練り歩きます。(お練りと言うそうです)









白塗りの花魁さんや鬼さんもいますね。













88カフェ食堂のややさんとナムさん発見! ナムさんが忍者なのはわかるけど、ややさんは
何に化けているのか???
88カフェでは毎週毎週お世話になりました!














88カフェの常連さん、特に待ち合わせたわけではないのに、なぜか集合していました。さすが88カフェの連帯は強いなあ。迷わず飲みに行きましたとさ。うい〜。