2015年12月31日木曜日

時代は変る

昨日、実はもう1枚買ってました。
「時代は変る(The Times They Are A-changin')」(1964年発売)。
もう言わないでもわかりますね。そう、ボブ・ディランです。


アルバム冒頭の「時代は変る」。発売当時、メッセージソングといわれていました。
「今遅れているやつが、いずれリードすることになる」って歌詞は、新しいものが古いものに取って代わるという若者的な歌詞に見えますが、「諸行無常」ってことなんですね。日本ではかなり昔に「平家物語」で琵琶法師が歌っていました。時代や場所が違っても受け入れることのできる内容なのですね。

これ、高校生の時にLPで持ってました。よく聴きましたねー。
和歌山のぶらくり丁のイワキレコード店の2階に洋楽コーナーがありまして、そこで手にいれました。というか、当時、和歌山で洋盤が手に入るのはそこしかなかった。まあ、あったのかもしれませんが、僕はそこしか知らなかったわけです。
なんと洋盤はジャケットにそのままLPが入れられていました。邦盤だとレコードを保護する薄いビニールの袋があって、それに保護されてジャケットに入れられているのに、なんと大雑把な!。案の定、LP盤は静電気の嵐で、僕の家に舞っていたホコリがすべて吸い寄せられていきました。
(でも、この盤はジャケットが厚紙だったのでマシです。イーグルスの「呪われた夜」はペラッペラのジャケットで、もう端っこが折れてました。)

引っ越しや家のゴタゴタで持っていたLPはすべて売ってしまいました。
で、そのとき持ってたやつ、また聴きたいなーってよく思うのです。CDになってるやつ(大抵安く再発されています)は買い直しているのですが、これもその一つでした。1000円でしたよ。うほほ。

改めて聴いてみると名盤ですねー。ボブ・ディランの黄金期がこの後にやってくるという、そんな感じがします。全部知ってる曲でした。って、当たり前か。
でも、高校生当時は有名曲がどれかわからないので聴きやすい曲がお気に入りでしたが、どれも有名曲ですね。

数年前(最近)買った、中村まり&ロンサムストリングスでも「哀しい別れ」って曲をやってますね。名曲ぞろいでディラン入門盤としてもいいぐらいです。


2015年12月30日水曜日

ミシシッピ・ジョン・ハート

年末の難波、人多すぎ。
最近全然ポイント12倍の連絡をしてこないタワーレコードにちょっと文句の一つも言ってやろう(言わないですが)という気持ちで、CDあさりに。

6階の洋楽コーナーでは書いてなかったのに、5階に降りたら「ポイント12倍(6000円以上ご購入の方のみ)」って。
バカにしてるのか???1000円しか買わない客にもポイントつけろよ。完全に差別されてるな。ちょいと小金持ってるやつだけに甘い顔して。腹たつわ〜。

とかなんとか思いながら購入。1200円だコノヤロウ!


名前は前から知ってたが、なかなか購入に至らなかった、ミシシッピ・ジョン・ハート!
1928年の録音です。太平洋戦争より前。
初めまして。なんですが、始めまして、な感じがしないな。
聴いていると、3曲目に高田渡の「仕事さがし」発見!!!
これをやってみようと、この前からいろいろ編曲してたとこなんですよ。常に念じていれば、こういう当たりがあるんですねえ。

でも、ネットで調べたらジョンハートの別の曲が「仕事さがし」にそっくり、ってかいてあった。タイトル違うけど同じに聴こえるなー。
まあ、どっちでもいいか。

ジョン・ハートのいいところは、とつとつと唄う歌の素朴さと、それを支えるギターの上手さかな。スリーフィンガーっぽく弾いてる。僕もそれが得意。
というか、この人のギター奏法が、いろんな人に伝わって、高田渡や吉田拓郎を経て、僕にたどり着いているのだ。あなたのおかげで僕もギターが弾けているのです。

こういうのってなんか感動するね。
もう「タワーレコードがせこい」とか言わないよ。(いや、言うかも)

2015年12月23日水曜日

あれよ星屑

今、売れに売れて絶好調と言われている(ほんとかな?)「あれよ星屑」を買いました。

著者は山田参助さん。

この本の内容は、戦争から帰ってきた上官とその部下が、焼け跡になった東京で出会うところから始まる。
昔にこういう設定のドラマや小説はよくあった。それらと違うのは、悲惨な話も乾いた感じで描いてある。悲惨な境遇でも力強く生きて行く人々を間に入れつつ、戦争で生き残ってしまった者の苦悩も。

漫画を読む前に「泊」という昭和歌謡のユニットで笹山鳩という名前で唄っているのを知ってました。昭和歌謡のカバーではなく、全曲新作です。
そのファーストアルバムについていたブックレットに山田参助の名前で漫画が付いている。海軍の兵隊さんが女郎屋に行く話。絵の効果もあるが、カラッとしていて湿っぽくない内容。
詩人の高木護さん(高田渡の歌詞で有名)の本にも通ずる、そんな感じ。

今年、10月頃、泊をネットで調べていたら、VIDEOTAPEMUSICという人のPVを見つけて、歌ってるのが山田参助さん!(HongKong Night Viewという曲)
見つけた日にCDを買いに行きました。VIDEOさんのセンスは素晴らしいな。

漫画とCDと両方お試しください。

2015年12月21日月曜日

ワンコインシアター

「ワンコインシアター」終了しました。
魔人ハンターミツルギさんの「おしばい魔人塾」を紹介するイベントです。「おはなしえん」が始まる1日前にもやりました。

演目は以下のとおり。
1、「ペンギンは空をめざす 第2話」
  朗読:ミツかね堂
  演奏:バナナ同好会(小松)、あぼともこ
2、「もりのマレーグマさん」
  お芝居:超人予備校
  演奏:バナナ同好会(小松)、あぼともこ
3、タップダンス
  ダンス:舞道ダンスシアター
4、「てんぐサンタ」
  朗読:ミツかね堂
  演奏:バナナ同好会(小松)、あぼともこ

「ペンギンは空をめざす」と「もりのマレーグマさん」は天王寺動物園の「おはなしえん」でやった演目ですが、一部、曲を変更しました。
というのは、ピアニカのあぼさんの演奏能力が未知数だったのと、僕がカズーを吹きたかったからです。練習を進めるうち、ピアニカのあぼさんがかなり上手い事がわかってきて、僕のソロにしようと思っていたところをいくつかやってもらいました。上手くいったと思っています。本番強いなー。

タップダンスはタップの基本動作の説明と、それを組み合わせて1曲披露してくれました。みんなかっこいいですね。

最後に「てんぐサンタ」。2年前に一度だけやったことがありますが、好きな作品です。今回1曲だけ残して全部曲を入れ替えました。高田渡と鈴木常吉の曲を原曲を探しながら編曲しました。あとオリジナル1曲と、あぼさんをフューチャーした「見上げてごらん夜の星を」、「ジングルベル」です。一番知っているはずの「ジングルベル」にまさかの苦戦でしたが2回目はうまくいったかな。
朗読のあかねさんは前日、いろいろとイントネーションを直されていたけど、いつも安心して聞けますね。主役を堂々と努めてくれました。会社ではこんな姿見た事なかったけどね。(僕は3年前まで、あかねさんと職場の同僚でした。)

今年は4月以外、何かのイベントに出てました。こんなん生まれて初めて。改めて音楽やっててよかったなーと思いましたね。
(この写真は超人予備校の尾松さんのfacebookから勝手に拝借しました。すみません。)




2015年12月19日土曜日

南米の音楽

12月18日、アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニの演奏会のお手伝いに行ってきた。久しぶりの古楽ネタです。
例年どおり、京都文化博物館別館ホールにて。


今回の公演は「16,17世紀 スペイン・南米の音楽」。
かなり珍しい選曲で、知らないものばかり。

コロンブスがアメリカ大陸を発見してから、ヨーロッパから南米へキリスト教とともにヨーロッパ音楽も伝わっていった。もともと現地では祭りの時に歌い踊る習慣があり、そういう音楽とヨーロッパの音楽は融合していったらしい。

打楽器伴奏の歌から始まり、2曲目は全員でノリの良い「私は肌の黒い少女」。撥弦楽器担当の2人がジャンプして曲を終わるという、クラシック音楽にはみられない光景もありました。そのあとはスペインの宗教曲で対比が面白い。

こういう調子で最後まで進んでいったが、途中に切り込んでくるコルネットのソロはキレまくっているし、バロック・ヴァイオリンのソロもいい。ヴィオラ・ダ・ガンバの、全体の方向を決定する感じの持っていきかたも頼もしいし、ドルツィアンの低音の「ブリブリ感」もグッとくるな。
と思っていたら、ヴィウエラ、バロックギターが伴奏する歌は本当に綺麗。

でも今回、特筆すべきはパーカッションでしょうな。
タンバリン、フレームドラム、銅の深い太鼓、カスタネット、じゃらじゃらする楽器などを駆使して絶妙のノリを1人で作り出してくる。
途中にスパイス的に入れてくるリズムの崩しもこちらを煽ってくる。その躍動感が奏者全員に伝わっていた。
体調がゲキ悪だったらしいですが、本番はそんなことわからないぐらいでしたよ。


関西でこんなマニアックなメニューはなかなか観れないよ。満足です。

(写真は、おなじみ田中秀明さん撮影です)


2015年12月13日日曜日

トイレはこちら

芝居屋さんプロデュース「トイレはこちら」観ました。
天満の音太小屋です。

劇団「超人予備校」の日枝美香Lさんと、いつも超予備に客演している田口晢さんの2人芝居です。
別役実作、田口さん演出。

別役実って名前はよく聞くけど、戯曲を読んだこともなければ芝居を観たこともない。なんだか難しそうな印象でした。

でも今回、その印象をひっくり返してくれましたね。面白かったです。
自殺志願の女とトイレの場所を教えてお金をもらう商売をしている男の会話で、物語が進みます。

全然チグハグな会話なのですが、これを夫と妻、会社の上司と部下、会社の戦略会議、政府の予算会議、TPP会議などに置き換えても成り立つような気がするのです。
普段、僕らが真面目に、真剣に考えているぞ、というような事って、案外どうでもいい事なんだよ、って言われてる気がします。逆に「どうでもいい事」が面白くなっていったりして。
価値観は疑ってかからなあかんって事かな。

あ、それと、開演前に天満の晢さんが歌った「一本道」(友部正人)。昭和感漂う感じで、個人的には好きですよ。