2017年2月6日月曜日

1965年

1月はこのブログの名前のとおり古楽の話題だけでしたね。僕ってそんなことできるんや、ってちょっと感動してます。古楽って面白いですよね。リュートと合唱の周辺しか聴いていませんがクラシックと違うところが結構ある。即興的なところもあるし、ライブはなかなか面白いもんです。

2月に入って節分のバイトに行きました。それでちょっと懐があったかくなりました。あったかくなったらする事といえば、CD購入でしょう。

今回は2枚。古楽とはちょっと違いますが、1枚目はもうポピュラー界の古楽になってるボブ・ディランの「HIGHWAY 61 REVISITED」。「追憶のハイウェイ」と日本では呼ばれてます。1965年にリリース。
このCD、実は昔に買ってたのですが、ちょっと懐がやばいときに売ってしまってました。そのときはあんまり好きなCDではなかったんでしょうな。でも聴き返すといい内容ですね。オープニングの「Like A Rolling Stone」にはシビれます。何回も聴いてるんですけどねー。やっぱりいい曲。高飛車な(?)上流階級の(?)女が落ちぶれていく様を歌っている。どんな歌詞やねん。落ちぶれて「どんな気がする?」と聞いている。

ノーベル文学賞とってどんな気がする?
貰った本人は結構困ってたみたいやな。ボブ・ディランというキャラクターとしてどう対応するか、ってね。「行けたら行くわ」って言ってた授賞式も欠席。「先約があるんで」って。かっこよすぎるわ。

このCDだけではないけどブルース色が濃い。バックにマイク・ブルームフィールド、アル・クーパーなど有名人多し。今までのフォークとはちょっと変わってきた感じがある。このディスクの前に「BRINGING IT ALL BACK HOME」が出てるけど、それくらいからドラムとベースが導入されてフォークロックと呼ばれ始めてた。音がロックよりになってきている。ビートルズの「ラバーソウル」が同年のリリース。音楽界は明らかに今までとは違ってきている、という空気だったのだろう。1965年は昭和40年。日本では朝永振一郎がノーベル物理学賞、ビール一杯120円、ハガキは5円、オバQが流行って、アメリカはベトナム戦争に突入という時代。

久しぶりに聴いたけどいい曲多い。最後の2曲「JUST LIKE TOM THUMB'S BLUES」「DESOLATION ROW」は名曲。こういうのが昔はわからなかったのかな。

同じ年(1965年)でブルースといえば、マディ・ウォーターズの「THE REAL FOLK BLUES」がリリースされてたらしい。たまたま買った2つのCDが1965年作。

マディ・ウォーターズは買ったの初めて。名前は存じ上げていたのですけど。
なかなかのおっさんブルースっぷりです。ブルースマンらしく鼻の穴から左右に広がっていくヒゲなどグッときますねえ。スケベっぷりがわかるようなジャケットです。
若いときの写真ってないのかな。このCDのジャケットは若いときなのかな?あ、1913年生まれやから、1965年ではもう52歳か!そら、おっさんやな。僕が悪かったよ。

このおっさん、シカゴブルースの親分として有名。「シカゴブルースの父」とかいわれてる。1950年代に南部から黒人がシカゴに移住したことで、シカゴでブルースが流行った。シカゴということでブルースも都会的になった。エレキが導入され、バンド形式になったのもここシカゴだという。ロックのミュージシャンが敬愛するのもわかる。グラミー賞は6回も受賞したらしい。

シカゴブルースではスター的な活躍なのですが、都会的とはいえ、歌はやっぱり泥臭くて素敵。マディウオーター(泥水)というぐらいやし。ギターも上手いぞ。
憂歌団がやってた「Rollin' and Tumblin'」も入ってる。この人の曲だったのか。このアルバムは1947年から1964年までの作品を寄せ集めたもの。アコースティックな音が中心やけど、デルタブルース時代からみると聴きやすくなってる。僕ら日本人がよく知ってるブルースってこんな感じかな。(港町ブルースとか夜霧のブルースとかは違う系譜の日本製ブルースですよ。おまちがえなく。)

1965年、この2枚が同時期に出ていたのは何だか信じられないな。マディはもっと昔に思うし、ディランはもっと新しいような気がする。

2 件のコメント:

  1. 出ました!僕にとって胸熱の2人が!
    ボブディランはバンド形態でエレクトリックになったぐらいのころですね。当時弾き語りをやめて批判されまくってたらしいんですけど、聞いてみるといいですよね。僕が高校の時、トムペティをバックに従えてツアーやってたりしてその時のアルバム聞いてさらに時代を遡ってこれらを聞いたので僕としては違和感がなかったです。
    僕は正直曲を聴く時メロディ(音)は入っても言葉が入ってこないタイプの人間で、尾崎豊の一部の曲やスプリングスティーンの一部の曲は理解できなかったのですが、同じ言葉メインとされるディランは別でした。
    なぜだろうと考えたことがあるのですが、この人の言葉選びは多分その意味だけではなく、その言葉の発語されるときのリズム・響き、およびそれが前後関係とうまく合致するかを熟慮されているから、聞けちゃうのかと思いました。
    あと同じ繰り返すところ同じように歌わないのもあるかもです。古楽のディミニュエーションみたいです。(いいすぎ?)
    マディはクラプトンがインタビューでよく語っていて高校の時中古盤漁って聴いてました。ローリンタンブリンはクリーム時代のクラプトンやバーズもコピーしてたと思います。ロバートジョンソンらのデルタ系もアコースティックでよいですが、シカゴ系もエレクトリックでよいですよね。
    シカゴ系では、マディ以外では、バディガイやハウリンウルフもよいです。
    特にバディは独特のロングトーンがあり、これを自分の音楽に取り込みたいと、かのジミヘンが教えを請いにコンサート楽屋に押し掛けという逸話があります。
    色々なまた長くなっちゃいそうなので、この辺で失礼します。
    追伸;ファーストネームで書いちゃいましたが、誰とも友達じゃありません。(笑)書くのを略しただけです。(笑)

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  2. 書き込みありがとうございます!
    ディランは歌詞がすごいと言われている割には内容がわかりにくい。ノーベル文学賞をとったので納得です(笑)でも音楽と一体になっているので聴けるのですよね。ジョン・レノンはボブ・ディランの歌詞より歌い方を褒めていたようです。
    マディ・ウォーターズはやっぱり泥臭い。シカゴで都会的になったとはいえやっぱり泥臭さがなければ。でもヘンリー・トーマスやタジマハールのフォーク/カントリー風なのも好きですね。
    バディガイ、ハウリンウルフもまた聴いてみたいです。

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